こんにちはOKUMA(@OKUMABLOG)です。
商社という業界は大きく「総合商社」と「専門商社」の2つの企業群に分けられます。一般的な商社のイメージに直結するのはおそらく「総合商社」だと思います。事業規模の大きさも圧倒的です。
一方で「専門商社」という業界は少しニッチな業界ですので、イマイチどんなタイプの企業があるのか想像つきにくいですよね?
そこで今回は専門商社を「独立系」と「メーカー系」の2つに分けて特徴をまとめて行きたいと思います!
- 独立系とメーカー系の特徴は?
- それぞれの強みと弱みは?
本題に入る前に私自身の自己紹介をさせて頂きます。
- 筆者は元商社マン(専門商社)
- 横の繋がりでメーカー系・独立系それぞれの社員の特徴を把握
専門商社への就職・転職を考えている方はぜひ参考にして下さい。
専門商社は世の中に沢山存在する
専門商社は世の中には無数に存在します。
一般的に自社の取り扱う商材がある一定の範囲に特化している商社を専門商社ですが、商材によって様々な専門商社が存在します。
下記に「就職偏差値」に沿った専門商社の一覧表を引用しますが、これだけでもその数の多さがわかると思います。
[70] メタルワン
[69] 伊藤忠丸紅鉄鋼
[68] 長瀬産業 岩谷産業
[67] JFE商事 阪和興業
[66] 日立ハイテク
[65] 日鉄物産 稲畑産業 岡谷鋼機
[64] 日本紙パルプ商事 豊島
[63] 日鐵商事 西華産業 蝶理 兼松 NI帝人商事 ホンダトレーディング CMJ
[62] 日本エアロスペース エルエヌジージャパン 瀧定 ヤギ
[61] 第一実業 椿本興業 明和産業 神鋼商事 都築電機 守谷商会
[60] ユアサ商事 国分 三谷商事 CBC 極東貿易 マクニカ トーメンデバイス 東京エレクトロンデバイス
[59]メディパルHD 因幡電機産業 全日空商事 UKCHD
[58] 東京貿易 エレマテック 日本出版販売 加賀電子 リョーサン 三愛石油 サンリオ
[57] スズケン 興和 富士通エレクトロニクス トーメンエレクトロニクス
[56] メディセオ 日本アクセス 日商エレクトロニクス 東陽テクニカ 三信電気 原田産業 新光商事 ナイス
[55]トラスコ中山 日通商事 エムシーエネルギー 立花エレテック カナデン スターゼン ダイワボウ情報システム 東京産業
[54] JALUX 極洋 佐鳥電機 花王カスタマー エムシーファッション 川重商事 エムシートレーディング エムシーカーボン 黒田電気 菱電商事
[53] 内田洋行 高千穂交易 山善 モリリン エムシーファーティコム
[52] スミテックスインターナショナル 電機資材 ヨネイ
[51] 丸文 バイテック ソーダニッカ 東方物産 伯東 リテールシステムサービス エムエスケー農業機械 MC山三ポリマーズ 中央化成 三陽商会 菱光産業 アートコーヒー 日伝 トーハン
専門商社の就職偏差値ランキング
この企業群を「メーカー系」、「独立系」、「総合商社系」の3つに分類することができます。
それぞれ一例を挙げると下記のようになります。
- メーカー系専門商社:日鉄物産、JFE商事
- 独立系専門商社:阪和興業、蝶理
- 総合商社系専門商社:メタルワン、伊藤忠丸紅鉄鋼
今回はこの中のメーカー系専門商社と独立系専門商社について深ぼってその特徴を紹介していければと思います。
総合商社系の専門商社は基本的に総合商社の1事業を外だしした形態をとっているケースが多く、中の社員さんもプロパーだけでなく親会社に当たる総合商社からの出向者も多いと聞くね!
「メーカー系」専門商社の特徴は?
ではここからそれぞれの専門商社の特徴をご紹介していきます。
まず、メーカー系専門商社はその名の通り、自社が属するグループのメーカーの商品を主に取り扱う専門商社となります。
商社業務の1つであるトレーディング業務(モノを仕入れて売ること)のうち「仕入れ先」が安定しており、販売する商品に困ることはありません。
メーカーにも営業マンがいるので、このメーカー営業マンと販売戦略を常に同期化し、且つマーケット調査も時に最前線に赴いて行う必要もあります。
大体の場合が事業規模の大きいメーカーが自社専用の商社を抱えるパターンが多いので、会社として「安定的」な仕事が多い印象です。
決められたことをしっかりこなす事が出来て、安定思考、決められたルールや型を守る思考が強い人にお勧めなのがメーカー系です!
メーカー系専門商社の強み
メーカー系商社の強みは下記の通りと考えます。
- 仕入れ先に困らない
- 仕事が安定的
お抱えメーカーの商品を安定的に仕入れることが出来るので、仕入れ先に困りません。むしろ優遇されるケースの方が多いと思います(価格や量)。
メーカーからの信頼度も高いので、入ってくる情報の新鮮度や信憑性も抜群です(メーカーからすれば自社と同じグループの会社なのでリリースされていない情報も提供しやすい)。
仕入れ先に困らないこと付随して、ある程度メーカーの意向に沿った販売ルートを追えば仕事も安定的に舞い込んできますのでビジネスの安定度も高いことが挙げられます。
メーカー系専門商社の弱み
メーカー系専門商社の弱みは下記です。
- お抱えメーカー以外の商品を取り扱いにくい
- メーカーの方針に抗えないシーンが多い
メリットで挙げた通り、安定的にお抱えメーカーから商品を仕入れることができる一方で、その他のメーカーの商品を取り扱いにくくなります(というか殆どの不可能)。そりゃそうですよね、お抱えメーカーから優遇して商品を支給されているのに他社の商品に浮気しようってなら反感を買います…(苦笑)。
そしてメーカーの方針に抗えないシーンが多いことも弱みになります。客先へより魅力的な提案をしたい時に、お抱えメーカー以外の商品の方がベターな提案となる場合でも、忖度をしなくてはならず、出来ないってことも起こり得ます。自分の提案力もメーカーの商品の力に左右されるので営業活動の中で様々な葛藤が発生します。
「独立系」専門商社の特徴
独立系の専門商社は先ほどのメーカー系と違って、仕入先から売り先、もっと言うと参入するサプライチェーンまで自社で取り決め、1から交渉していきます。
販売先もそうですが、仕入先のメーカーにも足蹴なく通い、情報を集める活動が必要になってきます。
決まりやルールに囚われずに、0から1を作り出すことに喜びを感じるタイプの方にお勧めなのが独立系です!
独立系専門商社の強み
独立系専門商社の強みは下記です!
- メーカーに囚われない提案ができる
- 幅広い活動ができる
メーカー系の専門商社と違って、仕入れ先のメーカーもユーザーにマッチしたものを提案するこが出来ますのが強みです。幅広いビジネスに参入することも可能で、営業マンのアイデア一つでビジネスの幅も広がります。
ユーザーに商品を販売し、ユーザーがその商品を使用してまた新たな商品を作る。そしてその出来た商品を商社が購入し、市場に拡販する。よく互恵関係を結ぶと言いますが、独立系商社はフットワークが軽いのでこの互恵関係を織り込んだ活動を強みにしているところが多い印象です。
独立系専門商社の弱み
続いて独立系専門商社の弱みです。
- 仕入れソースの苦戦する場合がある
- 頼れるのは自社の力のみ!
強さと弱みは表裏一体で仕入れ先が幅広い分、安定的な仕入れの難易度が上がります。メーカーからすれば自社と戦略の同期化が出来て、自社製品のみ取り扱うメーカー系商社の方が扱いやすく、安定的に商品を供給を行ってやるのが一般的です。
また不況になり自社のキャッシュフローが危うくなった際、メーカー系商社であればメーカーからの支援もある程度期待出来ますが、独立系商社は自社の力で生き残らなければなりません。
これは営業活動にも当てはまり、独立系専門商社の営業マンは1人1人が常に新しいビジネスの種を蒔く意識を持ち続けなければなりません。自社で販路を切り開く必要があるのです。
まとめ
今回は「メーカー系」と「独立系」専門商社のそれぞれの特徴を強みと弱みに分けてご紹介しました!
それぞれの特徴が働き方にも顕著に表れますので、就活生、転職活動中の皆さんは自分のやりたいこと、自分自身の性格に合った専門商社に入ることをお勧めします。
当ブログではこの記事以外にも様々な観点から専門商社についてまとめた記事を掲載していますのでぜひ合わせて読んでいただけると幸いです!
それでは今回はこの辺りで!お疲れ様です!