こんにちはOKUMA(@OKUMABLOG)です。
皆さん鉄鋼商社と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか?
総合商社はよく就活サイトで人気企業のランキングとかで目にするけど、鉄鋼商社ってあんまりイメージ湧かないなぁ。
一般的に商社と言われる業界は華やかなイメージを持たれ、「高給取り」、「激務」などなど様々ありますが、そのほとんどが「総合商社」と言われる会社です。
そして専門商社と言われる企業群に関してはニッチな業界という事もあり情報があまり出回っていない印象です。
そして専門商社の中でも取り扱う商材も様々で組織の形態もいくつかのグループに分かれます。
専門商社の概要をざっくり知りたい方はまずはこちらの記事をご覧ください!
今回は専門商社の中でも「鉄鋼商社」に関して筆者の体験談をもとにご紹介できればと思います。
鉄鋼商社への就職・転職を考えている方はぜひ参考にしてみて下さいね。
- 鉄鋼商社の働き方について
- 鉄鋼商社の給料はどれくらい貰えるの?
- 鉄鋼商社の業務内容をざっくり解説
- 鉄鋼商社のプライベートはどんな感じ?
本題に入る前に私自身の自己紹介をさせて頂きます。
- 新卒で鉄鋼商社に入社
- その後IT企業へ転職
- 鉄鋼商社時代は本社勤務、地方拠点の両方を経験
筆者の主観もバンバンに入った内容になりますので、あくまでご参考程度に読んでいただけると幸いです!
鉄鋼商社ってどんな会社?
鉄鋼商社とは一体どんな会社かと想像出来るでしょうか?
鉄鋼商社の話に入る前に鉄鋼業界がどんな業界なのかということを知る必要があります。
専門商社とは1つの業界の商材を専門的に取り扱う企業です。その取り扱う商材がどんな業界で生み出されているのかを知る必要があります。
「鉄」という商材をメインに取り扱う鉄鋼商社ですが、鉄鋼業界という少し特殊な業界に身を置く商社になります。
何が特殊な業界なの?
鉄鋼という業界は生産スケールが大きく、産業の米とも言われる「鉄」は様々な産業、商品に形を変えて世の中に行き渡ります。
歴史を振り返ると元々は「国鉄」と呼ばれ政府がその生産管理の中枢を担っていたほどです。
現在も民営になったとはいえ、鉄鋼メーカーの数は少なく、メーカーから出てくるその材料を様々な流通各社が如何に安く仕入れるかを競い合う業界です。
しかし、元々は日本国内の粗鋼生産量は世界的にみてもトップクラスでしたが、近年は設備の経年劣化や人手不足等により海外の最新設備を保持している鉄鋼メーカーに少しずつそのシェアを奪われてしまっている印象です。
時代の流れに伴った変化の過渡期にある移り変わりが今後大きくなると見込まれる過渡期にある業界ってことだね。
とはいえ、鉄鋼業界全体としては粗鋼量(鉄の生産量)も右肩上がりが続いているのですぐすぐに業界全体が急降下することは無いのでは無いかと思われます。
鉄鋼商社の種類
鉄鋼商社も通常の専門商社と同様に「独立系専門商社」、「総合商社系専門商社」、「メーカー系専門商社」の3つに分けられます。
総合商社系
- 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
- 株式会社メタルワン
2001年1月に伊藤忠商事株式会社と丸紅株式会社の鉄鋼部門が独立・統合して生まれたのが伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社。
続く2003年1月に三菱商事株式会社と日商岩井株式会社(現・双日)の鉄鋼部門が独立・統合して生まれたのが株式会社メタルワンです。
メーカー系
- JFE商事株式会社
- 日鉄物産株式会社
鉄鋼メーカーのJFEホールディングスを筆頭株主とし、日本第2位の鉄鋼メーカーであるJFEスチールを仕入先にもつのがJFE商事。
新日鐵住金株式会社と日新製鋼株式会社が合併し、後に日新製鋼と合併しできた日本最大の鉄鋼メーカーである日本製鐵系列の商社が日鉄物産です。鉄鋼事業以外に食糧・繊維・産機・インフラの事業にも注力しています。
独立系
- 阪和興業株式会社
鉄鋼の売上比率はおよそ半分でもう半分は原料・石油・食品・非鉄と鉄鋼事業に依存しない企業体質も特徴です。
仕入先に囚われず様々な角度から商流を築き上げる大阪に本社を構える西の雄です。
鉄鋼商社は業務内容は?
鉄鋼商社の業務内容は基本的に鉄鋼メーカーと国内外の卸、ユーザー各社をつなぐ役割を担っています。
また鉄が納期通りに卸、ユーザーに届けられるように調整するデリバリー機能も担います。
一般的に直ユーザーの商流と卸業者へ鉄鋼商材を販売する場合で鉄鋼商社の役割も変わってきます。
直ユーザー向けの商流を紐付き、卸や流通各社へ向けた商流を店売りと呼んだりします。
鉄鋼商社の役割:紐付きの商流の場合
紐付きの商流の場合、多くの場合が商流の絵を描くのはメーカーとユーザーとなります。
ここで行われる交渉をチャンピオン交渉と呼んだり呼ばなかったりします。
鉄鋼メーカーとその鉄を使ってものづくりをするのがユーザーです。
鉄鋼メーカー(もしくはユーザー)から指名された商社がその商流に参入でき商流全体のマネージメントを行います。
紐付き商流の場合、鉄鋼商社はメーカーと連携し商流、物流全体が滞りなく円滑に機能するよう各所に働きかけます。
商社の役割はどんな加工会社でものを加工するのかの選定や、納期管理も含めて行います。
商流上で売買されるモノの金額や加工賃はメーカー、ユーザー間で決定した予算内で流通させることになるので自由度は極めて低い商流と言えます。
鉄鋼商社の役割:店売りの商流の場合
一方で店売りの商流の場合、鉄鋼商社はメーカーから材料を仕入れ、自社で販売先を見つけ販売していきます。
一番の違いは販売価格や販売先を自社で決定できる点です。
商社が戦略的に商流を作りにいき、利鞘も稼いでいくことを狙っていきます。
紐付きの商流に比べて商社は自由に動くことが出来、その裁量も大きくなります。
部署によって業務内容は変わってきます
鉄鋼商社の中でも部署によってその業務内容は変わってきます。
営業部隊と管理部隊(総務、人事など)でまず大きく変わってきますし
営業部隊の中でも部署によって対するお客様が変わってきますので業務の内容も大きく変わってきます。
例えばこんなイメージ
「鉄を仕入、販売する部署」→鉄を卸に売る店売り部隊、鉄をユーザーに売る紐付き部隊
「鉄を作るための材料仕入、販売する部署」→原材料、資機材
配属先によって業務内容も変わってくるので入社しどの部署に行きたいかは人事に積極的に伝えるべきですね!(叶うとは限らないですが…)
とは言っても部署によって扱う商材自体がガラッと変わる総合商社と比べると自分が望んだ業務内容と現実が乖離しすぎる「配属リスク」は低いかもですね!
鉄鋼商社は激務なのか?
元々は残業時間も多く、お客様との会食の時間も多くあったりで残業時間は多かったようですが、
直近は改善されてきている様です。(会社によって大きく変わってくるので一概にはいえませんが)
しかし、取引先と会食や休日にゴルフに出かけたりと、人付き合いを行う場面は少なからず健在していると思います。
これは役職がつき上に立つ立場になるにつれ可能性は大きくなると思います。
上司の中にはゴルフシーズンは毎週末ゴルフで、ゴルフバッグが一度も家に帰ってこない人もいましたね…。笑
良くも悪くも商社は人が資本。商社マンは人付き合いからは逃げられない職業かと思います。
鉄鋼商社の給料
鉄鋼商社の給料は一般的にみてかなり良い方だと思います。
ただし、その役割は先ほど触れた通り、至ってシンプルであり、大きな商流の中で1つの役割を「問題が起きないようにこなす」ことがほとんどなので、特別なスキルを持っているかと言われると個人的には疑問に感じます。
仕事の基礎的なスキルやバイタリティーを武器に日々業務に没頭していくイメージです。
体育会のノリみたいなものは所々であります。笑
筆者の体験談をもとに給料体系のイメージを持っていただける記事を用意しているので合わせて覗いて見てくださいね!
鉄鋼商社の雰囲気:まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は少しニッチな業界である「鉄鋼商社」に関する情報を筆者の経験を元に主観バリバリの内容でお送りいたしました。
一部、実際の内容とは異なったり、全ての内容を網羅している内容ではありませんが、
私も鉄鋼商社で勤めた期間は3年前後。全てを分かりきったことが言える立場ではないと思っています。
しかし、これから鉄鋼商社に就職、転職しようと考えている方にとって「鉄鋼商社の雰囲気がわかる」内容であったなら幸いに思います。
また別の記事で専門商社に関する記事も纏めていますので、合わせてのぞいて見てくださいね。
それでは今回はこの辺りで。お読み頂きありがとうございました!